iPhone 2.0 と iPhone SDK

ネットワーク機能にマルチタッチ対応、音声通話機能まで実装した装置、ご存知 iPhone がとうとう正体を現してきました。


日本の店頭では美麗な画面に新次元の操作性を付加した「音楽プレイヤー」として弟分とも呼べる iPod Touch を扱っていますが、このラインってすでに音楽プレイヤーじゃないんじゃ……?
とか違和感を感じていたら、ちょっとイイ感性をお持ちなのだと思います。


まだ適当にそれを表現する 固有名詞が存在しないのでなんとなく私は「装置」とか呼んでみてるのですが。。
あえていうなら、モバイルコンピュータの類なんですかね?(^^;


2008.03.06 iPhone SDK 正式公開。
簡単に言うと、iPhone/iPod Touch で動くソフトを開発することができるようになりました、と。


装置の持つインターフェイスを考えると、この可能性は計り知れないものがありまして。
現在 Web(インターネット)の世界で扱われている資源がどんどん流用可能になるだけではなく


コンシューマ向けに見えたあの装置が、ビジネスラインで牙をむく可能性が出てくるわけです。


iDock(充電器 兼 インターフェイス)を併用した PC との連携/同期も標準装備で、既存システムとの連携もスムーズ、

今までお遊びくらいにしか考えられなかった無線ネットワーク機能も、SDK を利用した VPN クライアント アプリケーションなんかを開発すればセキュリティに守られた通信で社内インフラと接続できるようになるわけです。
(ていうか、間違いなくもう出来ているんでしょうけどw;)


事実上制限は皆無に等しくなるわけで。
貧弱な発想ですぐに思いつくのはこんなビジネス利用。


・たとえば iPod Touch の内線電話化
 現状の iPod Touch は音声通話の機能がありませんが、
 Dochコネクタへ接続する マイク/スピーカユニットを併用すれば、日本では入手不能な iPhone
 と同様のハードを得ることが出来ます(内部はほぼ一緒らしい)。

 そうするともちろん Skype のようなIPテレフォニーも利用できますし、Cisco の提供するソフトフォン
 と併用しようものなら、インターネットのつながるところならもれなく内線電話化してしまうことも可能
 になるハズ。(CPUパワーとメモリの相談が要りそうだけれど)

 もち iPhone はまんまイケます。


・たとえば Adobe Air アプリケーション実行環境
 これはすぐにでもくるでしょうね。
 なんせ SDK(Software Development Kit)って読んでそのまま、開発環境そのものしか表して
 いなくって、開発しやすいかどうかまでは特に謳っていません。
 Adobe Air であれば、Web で培った技術をベースに「ハードを全く選ばず」同じ操作感を提供
 することができます。

 リッチ Web アプリケーションのジャンルで席巻を狙う Adobeの戦略と、現在のApple の商品郡、
 Google の提供する「インフラ(統合検索サイトではない)」はこれからどんどん 大きな流れに
 なっていってしまうんでしょうね。


たのしいけれども恐ろしい業界再編。
これから いろんな淘汰が繰り返される中でありうるひとつの構図は

「インフラ」・「データベース」・「コンテンツホルダ」 しか生き残らない世の中。


すべての情報が自由に錯綜する中、
インフラに求められるのはセキュリティ
データベースに求められるのは可用性
そしてすべての情報が行き交うなかで それらの権利を有する コンテンツホルダ。


三すくみではないですが、それぞれが同時に存在しないと情報は成り立たないわけで。
これらを取りまとめるポジションを確保した製品・サービスが目先イチバンの金づる商売になってくるんでしょうね。


医療問題にしてもそうだと思うのですが、組織や所属にこだわって横の連携を取れない組織や個人がどんどん破綻しているこの時世。

こういった、知識をもった「コーディネータ」的なポジションを生業とする業者の存在感もまたでてきそうです。


そういえば、私のお客さんで「建築関係の業者と世帯主」をとりもつ建築コーディネータなる商売のお客さんがいます。
ご本人もかなりステキな方で、インターネットでも精力的に活動していらっしゃいます。

▼参考リンク
株式会社ベースメント
http://www.base-ment.co.jp/

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